カンボジアの朝、街のあちこちから漂ってくる香ばしい香りの正体。それが「クイティオ(Kuy Teav )」です。
この記事では、カンボジアの国民食であるクイティオの正体、ベトナムのフォーとの違い、そして本場でしか味わえない「自分流」の楽しみ方を徹底解説します。
クイティオとは?カンボジアを代表する麺料理

クイティオ(Kuy Teav)は、カンボジアで最も愛されている朝食の定番である米粉麺(ライスヌードル)です。現地の人は、仕事や学校に行く前に屋台で食べたり、テイクアウトして自宅で食べたりしています。
クイティオのルーツと定義
もともとは中国(潮州)から伝わった麺料理が、カンボジア独自の食材や好みに合わせて進化したものと言われています。豚骨をベースに、乾燥イカや干し海老を加えて数時間じっくりと煮込んだ透明感のあるスープ。そこに、コシのある極細の米粉麺を合わせたものが基本形です。
ベトナムのフォーとの決定的な違い
よく「ベトナムのフォーと同じでしょ?」と聞かれますが、一度食べればその違いは一目瞭然です。
| 特徴 | カンボジア:クイティオ | ベトナム:フォー |
| スープの出汁 | 豚骨+乾燥イカ・干し海老。甘みとコクが強い。 | 牛骨+スパイス(八角など)。香りとキレが強い |
| 麺の質感 | 細くコシがある。ツルツルとした食感。 | 平打ちで柔らかい。喉越し重視。 |
| トッピング | 牛肉スライス、牛肉団子、もやし、揚げニンニク、干し海老、ネギ、パクチーなど | 牛肉スライス、鶏肉、もやし、ネギ、パクチーなど |
クイティオはそうめんのように細い麺なのに対して、フォーは平打ち麺であることが多いです。
クイティオはどんな味?

クイティオの最大の特徴は、「揚げニンニク」の香ばしさと、海鮮から出る「奥行きのある甘み」にあります。「揚げニンニク」がスープに溶け出すことで、一気にパンチの効いた味になります。
スープはクセなくあっさりした味わいで、日本人好みの味付けです。
具材はお店によって異なり、牛肉スライス、牛肉団子の入った定番から、豚ひき肉、スライス豚肉、海老、イカ、豚のレバーや内臓がどっさり入ったクティオなどもあります。栄養満点で、力仕事の前に食べる人も多い「元気の源」です。
本場でのクイティオの食べ方

クイティオは、運ばれてきた瞬間は「未完成」です。小皿に入ったチリソースやライムなどの調味料を混ぜて、「自分好みのクイティオ」を完成させるのがカンボジア流。
ステップ1:まずはスープの「素」を味わう
まずは何も入れずに一口。豚骨と海鮮の甘味とコクのあるスープを楽しんでください。
ステップ2:具材を投入
別皿にあるパクチー、もやし、揚げニンニクのチップを惜しみなく、丼の表面が見えなくなるまで投入します。具材がスープに馴染んだら、箸とスプーンで麺と一緒に食べます。
ステップ3:ライムとチリソースで「味変」
小皿に入ったチリソースやライムが添えられていることが多いです。半分ほど食べて、これらを少量加えるとまた違った味わいが楽しめます。
ステップ4(+α):揚げパン(チャ・クワイ)で締め
多くの店では、サイドメニューとして「チャ・クワイ」という揚げパンが置いてあります。これをスープにヒタヒタに浸して食べるのが、通の食べ方です。スープを吸ったパンを噛み締めると、口の中にジュワッと旨みが広がります。
クイティオはどこで食べる?

大体どこで食べてもハズレがないのがクイティオのいいところです。2026年のカンボジアでは、クイティオを楽しめる場所が大きく分けて3つあります。
1.本場の熱気を感じるなら「路上の屋台」へ
最もカンボジアらしさを味わえるのは、やはり早朝の路上に並ぶ屋台です。プラスチック椅子に座り、その場でできたてのシンプルな一杯を食べます。エリアにもよりますが、値段の目安は2~3USDです。
2.ゆったり味わうなら「老舗の食堂」へ
「屋台は少しハードルが高い」という方には、1階が店舗になった地元の食堂がおすすめ。具沢山のメニューが充実しており、家族連れやグループでも安心して本場の味を楽しめます。エリアにもよりますが、値段の目安は3~5USDです。
3.格別の一杯を楽しむなら「カフェ・レストラン」へ
清潔な環境で、こだわりの具材や格別な一杯を楽しみたい時は、ガイドブックに掲載されているようなカフェやレストランで食べるのがおすすめです。具材や見た目もグレードが高くなっていることが多く、満足のいく一杯が食べれると思います。エリアやレストランのグレードにもよりますが、値段の目安は6~10USDです。
クイティオが映し出すカンボジアの「今(2026年)」
クイティオの屋台を観察すると、今のカンボジアの経済とテクノロジーが見えてきます。
- キャッシュレス決済: どんなに小さな屋台でも、テーブルには「KHQR(バコン)」のコードが貼られています。小銭を持ち歩く必要はなく、スマホ一つで決済完了。これはITインフラが急速に整ったカンボジアならではの風景です。
- デリバリー文化の浸透:「朝は家でゆっくりしたい」という層向けに、アプリ一つで熱々のクイティオが届きます。スープ、麺、具材がしっかり別々に梱包され、熱々のまま届く技術の向上には驚かされます。
終わりに
いかがでしたでしょうか。カンボジアの朝の主役、クイティオ。
もしカンボジアを訪れたら、ぜひ朝の街へ出てみてください。揚げニンニクの香りに誘われて、近くの屋台に座って注文したくなるのではないでしょうか。
一杯のクイティオを食べ終える頃には、あなたもこの国の「プラス」のエネルギーを全身で感じているはずです。

